ふくろう通信

2000年11月Ely発

「遥かな旅の始まり」
-ミシシッピー川源流-





アウトドアースポーツのメッカ自然保護地区BWCAWは、アメリカ中部を北から南へ真直ぐ下ってニューオリンズでメキシコ湾に注ぎ込んでいる大河ミシシッピー川の源流地帯でもあります。アメリカの穀倉地帯を潤す大切な水です。

10月上旬、北からの寒気団の南下で一時マイナス10℃ほどの気温が一週間ほど続いて雪もちらついたのですが、いまはいつもの晩秋の空に。すっかり葉を落とした白樺の林が湖面に寒々とした姿を映しています。時折早朝に、ダックハンター達の乗る迷彩色を施したボートが行き交うくらいで、釣りのボートの姿も今は見えません。この時期、地元の人達は忙しい冬支度の合間にオレンジのジャケット、帽子を付けて森の中へ。ハンテイングのシーズンです。今はgrouse、11月は鹿。獲物を冷凍庫に貯えて冬の間に楽しみます。

銃と言えば、新学期の始まったばかりの9月末、地元のVermilion Community College(短期大学)で生徒同士のshooting事件が起きました。こんな北の果ての田舎町でもドラッグ、ギャングがらみの事件が増えているそうです。デトロイトの同じ高校から今年入学して来たフットボールチームのチームメイト同士がささいなことから喧嘩のすえ一人の頭を銃で撃ったようです。幸い命は取り止めたとか。

地元の新聞、ラジオも事件の詳細を報道していましたが、最後まで一言も公式には触れられることのなかった点は、二人とも黒人であったこと。誰もが知っていても公に口にする人はいませんでした。面白いことに、このあたりのハイスクールのフットボールチームはほぼ100%白人だけ。ところが同じ町のカレッジになると突然黒人のプレイヤーが大半を占めるチームとなります。これはバスケットボールでも同じです。

学校の名前を売る為にまずフットボールチームを強くすること、その為には都会の高校から黒人プレイヤーを奨学金付きでスカウトして連れてくる。これは日本でも高校野球、大学スポーツでは当たり前に見られることですが、ここでは肌の色が違うだけに少々おもむきが異なってくるわけです。助っ人よろしく都会から田舎のカレッジに入学した黒人フットボールプレイヤーはシーズンの終わる12月には退学して姿を消します。在学中も大学キャンパス周辺に留まり町中へ出てくることはあまりありません。そんな背景があるためか、一週間もするとこの事件のことが話題にされることは無くなりました。自分達の社会とは無縁といった様子で。

白人以外の肌の色をした一人としてここで生活するうちには直接、間接にそのカベを体験することもあるわけですが、彼等の建て前と本音の隔たりの深さには少し憂鬱になります。もっとも世界中で起きている争いごとの多くが、人種と宗教、差別と憎しみがその根底にあることを考えると、これはもう人間という種の業としか言い様がないのでは。すこし悲しいですね。

柄に無く長々とおしゃべりをしてしまいました、これも秋の夜長のせいとお許し下さい。澄んだ星空を眺めて気分転換でもしましょう。


【来春までお休み】

夏の間、釣りにボート、そして水辺のお昼寝を楽しませてくれたカヌー、桟橋そして浮きドック。湖の凍る冬に備えてみんな陸に引き上げました。来年の春まで暫しのお休みです。

【木こりに挑戦】

暖炉用の薪作り。3コード、3メートル程の白樺の丸太約200本。これを50センチほどにチェーンソーでカットして、さらに重い斧で2-4等分にスプリット。およそ4000本の薪、3年分ぐらいでしょうか。思った以上のハードワークにいささか息が上がっています。1日約20本、1日置き(とても毎日は)の作業で3週間。終わった時にはきっと見事な木こりさんの身体が出来上がっていることでしょう。アメリカは今燃料の高騰で大変です。ガソリン、灯油、プロパンガス軒並み30-50%値上がり。おかげで薪まで高値に。ちなみに3コードで$165。都会では倍以上の値段がついているようです。

【アウルネストはサンクチュアリー】

ちょっと見にくいですがこれが"Grouse"。雉よりちょっと小振りですが尾羽が可愛い鳥です。メスを捜して鳴きながら森の中を移動しています。なぜか道の端にチョコント佇んでいます。そこをパンと。森の中の散策がてらハンテイングが楽しめるので女性にも人気があります。そんなハンターから逃げてくるのか、アウルネスト周辺には常時2-3羽のGrouseがいるようです。窮鳥懐に入れば...ではないですが、shoot a gunの代わりにshoot a pictureということで、パチリ。

☆秋のスナップ☆











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